土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)とは、
皆様、一般の方々にとって、非常に馴染みのない専門家かと思います。
弁護士・税理士・司法書士・行政書士などのサムライ業の中の1つの専門職になります。
これら、各々の専門職には、それぞれ仕事を行うための法律があります。
弁護士は、弁護士法があり、土地家屋調査士も同様に土地家屋調査士法がございます。
業務内容が、法律で定められており、これを法定業務〔独占業務〕といい、その専門職でなければ、できないことを意味しています。
土地家屋調査士というのは、不動産関係の専門職で、お客様の不動産資産の物理的現況を調査や、現場で測量を行い、図面を作成し、成果物として納品し、安全に登記申請を行うお仕事です。
専門職の士業の中で唯一、毎日作業服着て業務を行うブルーカラーの職種です。
特に、お隣の専門家として、司法書士などが御座いまして、連携を取り、仕事をさせて頂くことが多いです。
法律的に硬い言い方とすると、不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う測量及び表示に関する登記の専門家という言い方をします。
特に、近隣調査や、立会い業務、境界確定など、非常に時間がかかり、数ヶ月要する場合もあり、とても難関な業務も御座います。
1. 不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量
2. 不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続についての代理
3. 不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続について法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。 5において同じ。)の作成
4. 筆界特定の手続
(不動産登記法第6章第2節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。5において同じ。)についての代理
5. 筆界特定の手続について法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録の作成
6. 1~5に掲げる事務についての相談
7. 土地の筆界(不動産登記法第123条第1号に規定する筆界をいう。第25条第2項において同じ。)が現地において明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る民間紛争解決手続(民間事業者が、紛争の当事者が和解をすることができる民事上の紛争について、紛争の当事者双方からの依頼を受け、当該紛争の当事者との間の契約に基づき、和解の仲介を行う裁判外紛争解決手続(訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続をいう。)をいう。)であって当該紛争の解決の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として法務大臣が指定するものが行うものについての代理
8. 7に掲げる事務についての相談
お気軽にご相談下さい。
建物(登記)
建物表題登記とは、建物を新築した時・未登記の建物を買った時に、
建物の物理的な状況及び所有者の住所・氏名などの項目を登記簿に明らかにする登記です。
この登記をすることによって、対象不動産の登記簿が初めて作成されます。
また、建物を取り壊したときは建物の滅失登記をします。
住宅ローンや融資を利用した事により建物に抵当権等の担保を付ける場合には、
必ず金融機関からこの建物表題登記と所有権保存登記をする様に求められます。
■建物の登記の種類■
当該不動産について、表題部に最初にされる登記のことを指します。(不動産登記法第2条20号)
【具体例】
一戸建ての住宅や店舗、賃貸アパートなどの建物を新築した時にする登記。
建物表題登記とは、建物の物理的な状況を、
登記簿という登記所に備え付けられた公の帳簿に登録する手続きの事を言います。
※新築建物の所有者は、新たに建物が生じた日から1ヶ月以内に
建物表題登記を申請する必要がありますのでご注意下さい。(不動産登記法第47条第1項)
※埋立て等によって新たに土地が生じた場合にも土地表題登記がされます(不動産登記法第36条)。
■建物表題変更登記■
登記事項に変更があった場合にされる登記を指します(不動産登記法第2条15号)。
既登記の建物の物理的状況又は利用形態が変化・変更があった場合、
登記されている建物の表題部の登記事項に変更が生じます。
この現況に合致させるの登記を建物表題変更登記といいます。
※不動産登記法第51条第1項により、建物の登記簿の表題部に記載された所有者又は
所有権の登記名義人は、建物に変更が生じたときから1ヶ月以内にこの登記を申請し
なければならないとされていますのでご注意下さい。
■建物滅失登記■
建物が滅失したときにされる登記を指します。(不動産登記法第57条)
建物滅失登記とは、建物が取毀しや焼失などで存しなくなったことを原因として、
法務局にある登記記録(登記用紙)を閉鎖する手続きをいいます。
建物の登記簿の表題部に記載された所有者又は所有権の登記名義人は、
建物が滅失したときから1ヶ月以内にこの登記を申請しなければなりませんのでご注意下さい。
(不動産登記法第57条)
■ 区分建物表題登記■
一棟の建物の内部に数個の区分建物としての要件を満たす建物があるときに、
それぞれを区分建物の登記記録に記録する登記を指します。
【具体例】
賃貸用のマンションを、分譲用のマンションに登記したい時。
区分建物表題登記とは区分建物(マンション)を新築した時にしなければならない登記です。
※原始取得者、すなわち、そのマンションを建てた人(会社)は、新たに建物が生じた時
から1ヶ月以内に区分建物表題登記を申請しなければなりませんのでご注意下さい。
(不動産登記法第47条第1項)
土地(登記)
「不動産登記」は大きく分けて二種類(2条3号、4号)
1. 表示に関する登記
2. 権利に関する登記
「表示(表題)に関する登記」
不動産(土地・建物)の物理的状況、土地であれば、どこに、どれくらいの広さで、
どのように利用されている土地があるのかを明確にする為の登記です。
■土地表題登記■
土地表題登記とはまだ登記されていない土地について最初にされる登記を指します(2条20号)。
不動産登記簿の表題部と呼ばれる不動産の現状を表示する欄に、所在、地番、地目、地積が記載されます(34条)。
道路・水路などを払下げされた場合がこれにあたります。
■土地分筆登記■
土地分筆登記とは、登記記録上1つの土地を数筆の土地に分割する登記のことを指します。
一筆の一部を分割して売却したい、相続のために分割したい、土地の一部を相続税として物納したいなどの場合に土地分筆登記は必要になります。
■土地合筆登記■
数個の土地をひとつの土地にまとめておきたいとき合筆登記の申請を指します。
次のような条件の場合合筆することが出来ませんのでご注意下さい。(不動産登記法41条)
①所有者の名義が異なる場合
②地目を異にする場合
③地役権の登記がある要益地の場合
④持分が異なる共有土地の場合
⑤制限的権利の有する土地、所有権の登記のない土地の場合
⑥無効登記の存する土地の場合
⑦共同抵当の関係にあって、登記原因や受付番号を異にする土地の場合
⑧仮登記のある土地の場合
⑨予告登記のある土地の場合
⑩字(あざ)を異にする土地の場合
⑪接続しない土地の場合
■土地地積更正登記■
登記上の面積を実際に測量した面積と合致させる登記のことを指します。
土地地積更正登記のために面積を算出するには、境界を確定する作業が必要となり、土地地積更正登記とは境界確定測量と地積更正登記申請を合わせたものになります。
■土地地目変更登記■
土地の用途や使用目的に変更があった場合に、登記簿の内容も同じように変更する手続きのこと土地地目変更登記といいます。
田や畑、山林などを造成して登記簿の地目を変更していない場合、「地目変更」登記を申請します。
山林や畑であった所に建物を建築した時、または駐車場や資材置き場等にした時、実際の地目に変更する登記手続きです。
ただし、登記簿の地目を農地(田、畑)から農地以外(宅地、雑種地等)に変更する場合は、農業委員会に対して農地法の届出又は都道府県に対して農地法の許可が必要になりますのでご注意下さい。
境界確定(確定測量)
土地境界確定測量とは、現地で測量したデータをもとに隣接地所有者(民民・官民)との立会をおこない、
土地境界確認書などを取り交わし、今後の土地の境界をはっきり確定させる測量のことです。
現地には、コンクリート杭や金属プレート等の永続性のある境界標を設置します。
(注)土地分筆登記や土地地積更正登記は境界確定測量で境界が確定していることが
前提となりますのでご注意下さい。
■具体例■
①お隣との境界をはっきりさせたい
②土地を売りたいが、境界を明確にする事が条件となっている場合
③杭の紛失
④隣地との境界が判らないまま塀が建てられた場合
各種お気軽にご相談下さい。
開発申請
■開発許可申請■
建築物などを建築する目的で、一定の面積を超える土地の造成を行なう場合や道路を新設し、宅地としてその土地を分譲する場合には、土地の造成をする前に知事(政令市は市長)の許可を受けなければなりません。
都市計画法の規制により、地域によっては小規模な造成でも開発行為許可申請が必要な場合があるのでご注意下さい。
開発行為許可申請には開発行為許可申請以外に道路自費工事申請や水路占用許可申請といった手続きを伴う場合が多いですが、これらの手続きをまとめて行ないます。
■建築許可申請■
市街化調整区域において開発行為を伴わない建築物等(制限対象外の建築物等を除く)を建築する場合には、着工前に区画整理の施行者に対し、建築許可が必要です。
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域ですから原則的には建築物を建築することはできません。
ただし、市街化調整区域内の土地でも一定の要件を満たしている場合は、建築物を建築することができる場合があります。
それには、知事(政令指定都市、中核市、特例市及び事務処理市の市長)の建築許可(又は開発許可)を必要とします。
農家住宅の建築など一定の要件を満たす場合は、許可は必要ありません。